豊橋市　地震への備えとして土葺き瓦屋根の葺き替え工事を行いました

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施工事例
豊橋市　地震への備えとして土葺き瓦屋根の葺き替え工事を行いました

工事のきっかけ

能登半島地震のニュースをみて地震への備えをしなければとお考えになったお客様。
お住まいは木造２階建てで築39年経過しており、基礎・壁などの耐震補強は行ってきたそうです。
土葺き瓦屋根の事が頭にずっとひっかかっていて、地震の報道を機に葺き替えを検討されたようです。

◆初回訪問の様子◆

この先安心して住み続ける為に軽量瓦KMEWルーガへの葺き替えを決断されたお客様。
不安を感じたまま住み続けることがどうしても出来なかったとおっしゃっていました。

新しい屋根材の選定の際は、既存の瓦との重量差に関心が高くそれぞれの屋根材の重量をお見積りと一緒にお伝えしました。
最終的にはKMEWルーガとIGスーパーガルテクトの２つをご提案させていただき、KMEWルーガを選ばれました。
決め手は見た目で既存との違和感を感じたくなかったそうです。

豊橋市地震,屋根葺き替え,屋根材(瓦)

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容: 地震,屋根葺き替え,屋根材(瓦)

施工期間: 10日

使用材料: KMEWルーガ雅（各種下地/板金含む）　改質アスファルトルーフィング　構造用合板12㎜

築年数: 39年

保証年数: 10年　※弊社規定による

工事費用: ￥2，600，000(税込)　　足場代・瓦処分代など含む

建坪: 屋根面積　約90㎡

能登半島地震後すぐにお問合せを頂きました。
地震に備える意識の高さを感じるお客様で、毎日作業後に色々なお話をすることが日課となった印象的な現場でした。

また近隣の皆様にもご協力いただき足場設置の際には敷地を一部借用する事となりましたが、快くご了承いただけ日頃のご近所付き合いの良好な関係を知る事になりました。

施工前の現地調査　

日本瓦葺きのお住まいで、敷地いっぱいに建物が建っていました。
足場設置に頭を悩ませることになると想像しましたが、近隣の皆様のご理解をいただき、足場設置の際に敷地をお借りする事が出来ました。
道路面を除く３面、隣地を借用する事となり隣地の皆様とお客様に感謝いたします。

お住まいは現状雨漏りの症状は無く、天井裏の状態も健全で特に雨染み跡などもありませんでした。
幅の狭い「バラ板」と呼ばれる野地板で、こちらのお住いの新築当時には一番一般的に使われていた野地板です。
あえて少し隙間を設けることで通気性を持たせ、小屋裏の湿気排出や温度上昇を抑える役割を果たしています。

土葺き瓦の葺き替え工事で瓦と土の撤去・処分

瓦の撤去の様子

近隣の皆様には事前に工事期間のご案内と騒音・ホコリ・におい・車両の出入りなどをお伝えするためご挨拶に周ります。
近隣の皆様のご理解があっての工事となりますので、必ず事前にお伺いしています。

土葺き瓦を撤去すると、屋根面全体にびっしりと「葺き土」が敷かれています。
これは瓦を固定する接着剤の役割を果たしていて、これがいわゆる「土葺き工法」なんです。

デメリットは重さ。そして瓦の保持力が弱い事です。つまり地震や台風に弱いんですね。

しかしメリットもあるんです。それは断熱性・遮音性など。
ルーフィングなどの防水紙が無い時代は、多少の雨水を吸収してくれるのもこの葺き土でした。

そもそも江戸時代には屋根は重くなくてはならないとの考え方があったそうです。
この瓦の重みで建物を上から押さえつけ、柱などが締まるといった考え方だそうです。

地震の時には当然瓦は揺れで落ちますが、あえて瓦が落ちることで建物そのものの倒壊を防いでいたようです。

葺き土の下はこのようになっています

葺き土を撤去すると杉皮が現れました。
この杉皮が今でいうルーフィングなんです。
上下左右に重なりを設けることで軒先まで水が流れます。
葺き替え工事において、新しく野地板（構造用合板）を張るにあたり杉皮も撤去しなければ屋根が平らになりません。

杉皮を撤去し、バラ板野地の状態となりました。
これは室内の天井裏から見えたバラ板を屋根側から見た状態です。

これから新しく野地板（構造用合板）張るのですが、垂木などに傷みが無いかをここでしっかりと確認します。
野地板を伏せてしまうと交換などが出来なくなる為、確認は省けません。

土葺き瓦の重量はどれくらい？

土葺き屋根の重量はやはり気になりますよね！
構造がいくらしっかりとしていても屋根は軽い方が良いと考える方が非常に増えてきました。

こちらのお住まいは屋根面積約90㎡で瓦6ｔ葺き土6ｔ合計12ｔが屋根に載っていた計算になります。

よくこんなに？！と驚かれる方がみえますが、これが屋根面全体に載っている事。
そしてそれに耐えうる柱や壁の構造となっている事を考えれば、やみくもに驚くことは無いと思います。

よく地震などによる瓦屋根の倒壊シーンを目にします。
あれは構造そのものに問題があるケース、土葺き工法で無緊結などがほとんどで、現在では安心して瓦もお使いいただけますよ！
現在の瓦葺き屋根は土を使わない乾式工法ですので土の重量はかかりません。

屋根材別の重量比較

◆主な屋根材◆	◆㎡あたりの重量◆
陶器　日本瓦　（葺き土なし）	約45㎏
軽量瓦　KMEWルーガ	約23㎏
スレート瓦　KMEWカラーベスト	約21㎏
金属横葺き屋根材　IGスーパーガルテクト	約5㎏
シングル葺き屋根材	約12㎏

屋根材そのものの重量差は上の表の通りとなります。

葺き替え工事にあたっては上記の屋根材の重量に加えて
新規野地板（構造用合板12㎜）　約6.5㎏/㎡
ゴムアスファルトルーフィング　約1.5㎏/㎡
が加わります。

葺き替え工事でポイントとなる野地板張り

バラ板の上から新しく野地板を増し張りしていきます。
新しい野地板には現在主流の構造用合板12㎜を使用します。
一枚が畳一枚分の大きさ（1820㎜×910㎜）の板でこれを垂木に固定していきます。
この板を隙間なく張ることにより、屋根が「面」としての強度があがります。

今回ご採用頂いたKMEWルーガはこの野地板に釘を打ち屋根材を固定する工法ですので、不陸や隙間には細心の注意を払いますよ。

葺き替え工事で最も重要なルーフィング張り

最も重要と言っても過言ではない「ルーフィング」張りです。
何故重要かと言いますと、屋根材の裏側へ回り込んだ雨水を建物内に侵入させないよう軒先まで確実に流す役割があるからです。

屋根材が１つ目の防水。ルーフィングが２つ目の防水。
つまり２重の防水で屋根は雨漏りから守られているんですよ！

今回は性能と価格のバランスがとれた改質アスファルトルーフィング（通称：ゴムアスルーフィング）を使用しました。
特長は破れにくく釘穴のシール性に優れたルーフィングです。
アスファルト層が熱で溶けだし、釘穴の周りにまとわりつき穴を塞ぐといった仕組みとなっています。

ルーフィングは性能、価格が様々です。お客様のご要望に合わせてご提案いたしますので詳しくはお問合せくださいませ。

葺き替え工事で大人気の軽量瓦　KMEWルーガのご紹介

今回ご採用頂いた屋根材「KMEW:ルーガ」
葺き替え工事において大人気の屋根材です。
ルーガを施工できるのはルーガショップだけ！（弊社は登録店となっていますよ！）

その特長は
①地震に強い　　陶器平板瓦の約1/2の軽さ
②衝撃に強い　　セメント瓦の部類ですが独自開発の複合素材を使用していて、粘り強く衝撃に強い
③台風に強い　　屋根材１枚に対して２本の釘留めでズレや飛散を防止
④色褪せしにくい　　無機塗膜層「グラッサコート」が施されており美しさ長持ち

ルーガ雅：モダングレーをお選び頂きました。
今回ルーガをご採用頂いた理由「既存の屋根との違和感を無くしたい」を見事に実現している屋根材ですね。
重厚感もありお客様も大変満足されていました。

KMEWルーガの各部納まり

棟部分の納まりです。
長期に渡り棟瓦を固定する「棟垂木（むねたるき）」
耐水性が特徴の樹脂製の人工木を使用し、棟垂木の腐食などによる棟瓦の飛散の被害が出ないようにします。

専用の防水テープを棟垂木を覆いかぶせるように取り付けます。
防水テープを使用する「乾式工法」は棟部の重量も軽減され、お客様のご要望にもピッタリの工法です。

棟瓦も１枚に対して２本、パッキン付きステンレスビスで固定し、完了となりました。
縦横斜めのラインが美しく屋根が生まれ変わったことが実感できますよね！